自律型無人潜水機AUV(Autonomous Underwater Vehicle)は、簡単にいうと、水中を調査する無人ロボットである。従来の遠隔操作型無人探査機ROV(Remotely Operated Vehicle)のようなケーブルをつなげて操縦をするものではない。
自立型無人潜水機(AUV)について
従来の潜水機ROVではアンビリカルケーブル(Umbilical cable)という信号と電源を供給する線を通して、遠隔操作をしていた。子供のラジコンカーのようなものを想像してくれて良い。
調査用のカメラモジュールを搭載しただけの小型のROVから、海底ケーブルの設置等の海底作業が可能な大型のROVまである。作業する深度も数十メートルから数千メートルを越えるものまでいろいろと活躍している。
子供用のプールで遊ぶ分には細い電線で十分であるが、海で利用するには、それなりにシステムを大きくしないといけない。
そこで、登場してくるのがAUVである。姿勢制御や航行のための情報を処理するコンピュータと電源を内蔵。航行用のアクチュエータ、スクリューなどはもちろん、各種センサを搭載している。操縦はケーブルでつなげて操作するのではなく、装備している航行用センサからの情報を基に、コンピュータが判断し、自律的に行動する潜水機である。
ケーブルで接続して操作をしないため、ROVに比べ、システムが大きくない。搭載する電源の容量で連続航行する時間が決められてしまう。
国立研究開発法人 海洋研究開発機構 JAMSTEC
日本の海洋研究の中心的な存在。有人潜水調査船「しんかい2000」を知っている方も多いと思います。現在、AUVとして、「うらしま」、「かいこう」、「ハイパードルフィン」、「ディープ・トウ」、「ゆめいるか」、「じんべい」、「おとひめ」などを有しています。
「MR-X1」、「PICASSO」、「MROV」の開発。「ゆめいるか」、「じんべい」、「おとひめ」。
日本は海洋国家、これからの商業利用に期待したい
日本は海洋国家です。ですが、商業利用等を考えた時にアメリカ等の外国勢に後れを取っていると思う。軍事利用もないのが原因かもしれない。
海底資源についても、いろいろな思惑で、開発が進まない状態ではあったが、少しずつ改善されてきているようにも感じる。メタンハイドレートや海底熱水鉱床などに期待したい。
自然災害や地球温暖化等の関連で海洋調査やネットワークの拡大による海底ケーブルの増設、保守点検などにも期待したい。
趣味としては、AUVをしている人もいるのですが、日本では研究開発をしている会社が少ない。もっと、パイを広げていきたい。
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